日経新聞 夕刊 2001年(平成13年)1月25日 水曜日 |
LOOK&るっく |
古今の産業文化 散策 |
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「だれもが気軽にインターネットを楽しめるように」と政府が企画したインターネット博覧会(通称インパク)が昨年12月31日、開幕した。パソコンは苦手という人にも、操作が簡単なコンテンツ(情報内容)を通してネットの便利さを知ってもらうのが狙いだ。開会式の中継にはアクセスが殺到、動画配信が滞ってしまったほどの人気ぶり。中部の企業や自治体もネット社会での存在感を示す絶好のチャンスと、趣向を凝らした様々な”パビリオン”を出展している。
まずインパクのホームページ(http://www.inpaku.go.jp/) のマップ(地図)にアクセスすると「流行・ファッション」、「産業・経済」「スポーツ・車」など16に分類された全体の見取り図が現れる。自分の好きなテーマを選び、計203ある企業や自治体などのサイトを探索する仕組みだ。
コンテンツ制作のエイ・ワークス(名古屋市)の出展テーマは「ものづくりネット館」。普段はなかなか訪れる機会がない国内外の産業観光スポットを次々に仮想訪問できる。
例えば毎月、世界の代表的な産業遺産を紹介する「テクノツーリズム」 コーナーでは現在、イギリス中部の「アイアンブリッジ渓谷ミュージアム」を特集。1779年に完成した鉄橋を中心に、当時の炭坑や工場跡地の様子を写真を交えながら解説している。
また、2005年の愛知万博で計画されている太陽エネルギーを使ったソーラー飛行船など、各地で進行中のものづくりプロジェクトの最新情報も随時、報告。赤崎まき子社長は「中部の発展に貢献してきたものづくりへの関心が高まれば」と話す。
中部の主力企業のパビリオンも充実している。トヨタ自動車が1886年以降の世界の名車の紹介やネット上で対戦するカーレース、東海旅客鉄道(JR東海)
はクイズで巡る「東海道五十三次」やリニアモーターカーのバーチャル試乗体験−−というように、各社が特徴ある企画を用意している。
伊賀で生まれた松尾芭蕉にちなみネット上で俳句の投稿を募る三重県や、関ヶ原の合戦四百年を記念し、戦国時代を特集する岐阜県など、自治体でもユニークな企画が目白押しだ。
いずれもイベントやゲームなどを通じた双方向コミュニケーションに力を入れ、サイトの中身を徐々に充実させようとしている。開催期限の今年12月末までにどんな魅力的なサイトが出そろうかは、ネットを使いこなす参加者の意気込みにかかっている。
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